冬の日

やはり自分も「あああ」に惹かれたのである。「ああ」でも「あぁ」でもなく「あああ」と書いた作者の感情表現をメロディアスライブラリー・小川氏もピックアップしていた。これが日本語の面白みではなかろうか。文庫本のタイトル作「檸檬」も合わせて読んでみたが、これもまた独特の雰囲気をもった文体で、これら小作品の潔さ、短さに作者の生き様が現れているような印象も受け、決して死期が、昨日の長さ短さに反映されている訳ではないと思うが、夭逝の作家にはどこか特有の感覚があるのかもしれない。

近頃の作品選出にはコロナ禍の影響なのか流行り病がフックになっているものが多い。この作品もカリエスを患っている主人公だが、最後のひと葉の肺炎しかり、鬼滅の刃に登場する上弦の鬼は、大正時代の疫病が元ネタになっているという考察は有名。それを時代の先読みやら予言のような扱いは少しやり過ぎだが、何か過去の知恵から学ぶべき事はあるのかもしれない。

らいふすてーじ

【在宅介護支援】 【権利擁護支援】 【共生社会支援】 【芸術活動支援】

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