夜廻り猫
ウェブで紹介されていた話にどこか惹かれるものがあり、とりあえず1巻から読んでみることに。涙の匂いを察知して始まる淡々とした8コマの中に、日頃のソーシャルワークの場面が重なっているのかもしれない。関わった人の数だけストーリーがあって、面白い話や涙を誘う話もたくさんあるが、この小作品群のように、ぼんやりとオチのない話も少なくない。話を聞いても解決の糸口を見つけられないことだってよくある。でもそれでいいではないか。そんなものだ。誰かよりも劇的である必要はなく、起承転結がなくても十分。ホメラレモセズ、クニモサレズ、でも語る事がない人生なんてひとつもないはずだ。
作者は対人援助でもしている人かと思いきや、そうでもないらしい。ネタもほとんど創作とのこと。自分も含めて、何かとお役に立ちたがるソーシャルワーカー。時には遠藤平蔵のように「にっこり」と窓の外から見守ることも忘れないようにしたい。
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