最後のひと葉

O・ヘンリーにはこの作品と同じくらい有名な短編に「賢者の贈り物」がある。小学生の頃、ズームイン!!朝!を見て登校するというルーティンの中で、賢者の贈り物をテーマにしたCMが流れていた。これ、「時計と鎖」「髪と櫛」という相互関係が当時の自分にはピンとこなかった。「時計に鎖!?ポケットに入れておけはいいじゃん」「髪を切ってもブラッシングはするでしょ!?」という屁理屈にも至らない、無知がゆえの素朴な疑問は後々解決されるのだが、結びの教訓と作家やの名前は、この朝のルーティンの中で刻まれていたようである。
現在のコロナ禍と作中の肺炎感染を重ねてみる。芸術家の根源的衝動はどんな状況下であろうと決して自粛できるものではないことをはっきり自覚しつつも、思わず命を懸けてしまいたくなる無謀な衝動にはブレーキをかけなければならない、というジレンマは理解してもらえるのだろうか。こんな煩雑な手続きもなく芸術活動への無条件の給付が実現すれば、命を賭した最後のひと葉はまた違ったストーリーを紡いでいったかもしれない。

らいふすてーじ

【在宅介護支援】 【権利擁護支援】 【共生社会支援】 【芸術活動支援】

0コメント

  • 1000 / 1000